シャープ株式会社でTFT液晶事業の黎明期からプロセス・材料・装置の開発に従事し、2003年に株式会社FUKを起業しました。
『世界にないモノをつくる』を理念に掲げ、主にスマートフォンのカバーガラス貼り合せ装置の開発において世界のスマートフォンメーカーやディスプレーメーカー、材料メーカー等とオープンイノベーションを通して技術開発を進めてきました。当初より世界の市場をターゲットとし『世界にないモノをつくる』という理念を実践することにより、グローバル・ニッチトップ戦略を推し進めてきました。
　スマートフォン業界はグローバル企業が群雄割拠する世界であり、日本の大手メーカーでさえ脱落するような厳しい市場です。その市場にスタートアップ企業が挑戦することは、技術力や信頼性、信用などあらゆる面においてチャレンジングであり、また非常にハードルが高いものでありましたが、技術的には高い評価を得て採用されるに至りました。しかしながら、世界を代表するようなグローバル企業を相手にビジネスを展開するには、人・モノ・金・信用の全てにおいて、地方（奈良）のスタートアップ企業（50名）では全てのリソースが不足していました。事業を大きく発展させるには、大手メーカーに事業を譲渡することが最善であると判断し事業譲渡に至りました。その後、海外大手ディスプレーメーカーからプロセス開発責任者などいろいろなお誘いを受けましたが、コロナ禍で渡航を断念しました。
　今、この日本国内で自分に貢献で出来ることは何かを考え続けた結果、ものづくりの現場で頑張っておられる中小企業のみなさんに自分の経験を少しでもお役に立てることではないかと考え株式会社MUCを創業しました。大手メーカーからのスピンアウトで起業し、徒手空拳でスタートアップ企業を経営してきた経験や新規事業開発を数多く実践してきたノウハウなどを活かして社会に還元できればと思います。今後、起業家や第二創業を考えているものづくり中小企業のために、ハンズオン型コンサルティングを通して支援できればと考えおります。

株式会社MUC　代表取締役　植村光生